新宿『ヴィンチェロ』ワインペアリング付き絶品イタリアン
久しぶりにTanosyへ記事を書く事にした。
というのも9月に始めたガジェットや本の連載記事が全く伸びず、記事のランキングはグルメ記事ばかり。このまま必要とされていない連載を続けるよりも、小休止してTanosyをどう作っていくのか検討したほうがいいと思っていた。
そして、Tanosyは当初の目的通り、食欲性欲睡眠欲を軸にしたオススメキュレーション情報をお届けすることにする。本やアプリなどは…Tanosyのやることではなかったようだ。
新宿五丁目という、どの駅から行っても少し歩く旧厚生年金会館の裏にその店はある。
『ヴィンチェロ』
予約時にワインが飲めるかどうか確認されるほどワインにこだわり、コース料理には1つずつグラスワインがペアリングされる。
店主はワインの輸入業も行っているということで、膨大なイタリアワインに囲まれたワインの聖地と言っても過言ではない。
数年前までは早く飲みたい衝動を抑えながら見知ったソムリエが語る説明に心地よさを感じていたのだが、そのソムリエが退店して以来足が遠のいていた。
ある夕方、急遽決まった2人でのディナーで美味しいパスタとワインが飲みたいと思い出したヴィンチェロは、当時とは何一つ変わらないワインと合わせた料理の数々だったのだが、店員に関しては少し変わっていた様に感じた。
電話で、予約していないのだが今夜2席空いていないか確認を取ると、空いているとのこと。電話番号と名前を伝えて電話を切るが少しの違和感が。そう、『ワイン飲めない方お断り』というアナウンスが無かったのだ。まあ当日予約だったのでお店の方も忙しく伝えるのを忘れたのだろうと気にせずに、予約時間に来店。階段を数段下った路面店という立地で中の様子が見える。
久しぶりに高まる期待を抑えながら来店し、奥のテーブル席へ案内していただいた。
変わっていたこととしては、メニューが無かった。
「コースの方はいかがなされますか?」
そう訪ねてくる女性の店員へメニューをリクエストすると、メニューは用意をしていないとのこと。
当時はアラカルトでもオーダーできたのと、コースもメニューに乗っていたので相手に知られないように『このコースを』と指さしてオーダーを伝えることができたのだが、どうも口頭で伝えなければならない様だ。こちらのお店のコースには名前がついていない。
つまり、「15000円のコース」などと金額を言わなければならない。少しは配慮してくれても良さそうなものだが。
肝心の料理だが、絶品だった。
前菜からメインまで全ての料理が印象深く、そしてペアリングされたワインも素晴らしかった。
特に、肉厚のホタテをあんこうのソテーと共に、カボチャを裏ごししたソースで頂いたあの一品は、思い出すだけでまた貯めたくなってくる。2種類出てくるパスタも最高だった。
やはりこの店は、美味い。そう確認するには十分な内容だったのだが、店員さんのサービスには少し残念な面もあった。
ワインを目的に来ているのに、ワインの説明が全くないのだ。
各皿に合わせてグラスワインを持って来るだけ。ちょっと説明して欲しいなと店員さんへこのワインは?と尋ねるのだが、
「こちらのワインです」
とボトルを持ってくるだけだった。
昔の方が良かったという懐古主義にはなりたくないものだが、この店はワインについてただならない情熱を持っている店だと期待していただけに少し残念だったが、料理もワインも絶品であることには間違いがない。
ゆっくりと、うまいイタリアンとうまいワインを楽しみたい人にはおすすめだ。
私も、近いうちに必ず再訪する。
今回のお店
ヴィンチェロ